公務員(国家、地方)は他の職業に比べて諸手当がもらい過ぎや優遇されているなどの世論もあります。
以前はとんでもないような変な手当などが支給されていた場合もありましたが、近年はどんどん厳しくなり、公務員の人でも不満が出る手当の内容になっている場合もあるようです。
それでも公務員の手当関係は様々ある印象を受けます。
ここでは地方公務員の具体的な手当について国家公務員の人事を取り扱う人事院を例にまとめていきます。(*一部宮城県も参考に記載)
気になる公務員の管理職手当や地域手当、赴任旅費、住宅手当などを具体的に見ていきましょう。
人事院の例を元に公務員の手当を解説
人事院では国家公務員の給料を公開しており、今回はその手当を参考に解説をして行きます。
地方公務員の手当についてもほとんどが国に準じており、同じような内容の手当と支給額となっています。
扶養手当
手当内容 | 年間の収入が130万円を超えない親族を扶養とすることが可能。 |
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支給内容 | ・配偶者・・6500円
・子・・・10000円(16歳までの場合) ・父母等・・・6500円 |
備考 |
行政職俸給表(一)8級以上職員等の場合、支給額は3,500円 |
扶養手当については年々支給額が減少傾向にあります。
住居手当
手当内容 | マンションやアパートなど賃貸契約を結んだところに住む場合(月額12000円以上を支払っている) |
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支給内容 | ●最高27000円(*通常は最高27000円を手当額として、家賃の約半分が支給されます。)
●配偶者等が賃貸に居住する単身赴任を受け取っている職員の場合には13500円。 |
備考 | あくまでも家賃なので駐車場代は含まれない。 |
住居手当は家賃の約半分の支給となります。
なので、家賃額が54000円までは約半分支給されると考えていいでしょう。
駐車場は住居手当に当てはまりません。
なので、大家さんと交渉して駐車場を無料にする代わりに家賃に上乗せする契約になる場合もあります。大家さん次第なので一度交渉してみるといいでしょう。
通勤手当
手当内容 | 職場まで片道2km以上の場合。 *最短距離のルートより算出 |
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支給内容 | ●公共交通機関・・・限度額55000円を上限として支給
●自家用車・・通勤距離に応じた月額(2,000円~31,600円)を毎月支給 |
備考 | あくまでも家賃なので駐車場代は含まれない。 |
手当の支給要件については、実際には通らないルートでも最短距離で2kmとしているので、自宅からギリギリの場合には要件が当てはまらない場合が多く、厳しくみられることが多いです。
自分でグーグルマップなどの地図で最短距離を記載して、担当課に申告をします。
自治体によっては、公共交通機関の上限を55000円と支給しているところも中にはあります。
単身赴任手当
手当内容 | 勤務地で勤務する上で、やむ得ない場合で、配偶者(奥さん)と別居が必要になる場合。 |
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支給内容 | 単身赴任する賃貸と、家族が住む自宅への距離を考慮して月額30,000円~100,000円を支給。 |
備考 | 自治体によっては、交通距離を60km以上と定めているところもある。3万円が基礎額で、距離に応じて加算額を加算 |
地域手当
手当内容 | 民間賃金の高い都市部などで、手当を支給する制度。
給料に割合をかけた額となっている。 |
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支給内容 | ●東京・・・20%
●大阪市、横浜市・・16% ●さいたま市、千葉氏市、名古屋市・・15% ●神戸市・・12% ●京都市、奈良市、広島市、福岡市、など・・10% ●仙台市、宇都宮市、岐阜市、静岡市、高松市など・・6% ●札幌市、新潟市、金沢市など・・3% |
備考 | 自治体によっては、交通距離を60km以上と定めているところもある。3万円が基礎額で、距離に応じて加算額を加算 |
対象となる給料は給料の月額に加えて(調整額)、(管理職手当)、(扶養手当)を合計したものに対して、算出されます。
広域異動手当(国家公務員)
手当内容 | 大きな距離の移動を行なった場合に支給される手当 |
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支給内容 | ●300km以上・・10%
●60kmから300km・・5% |
備考 | 地域手当が支給される場合には、地域手当の支給割合を減じた割合。 |
寒冷地手当
手当内容 | 寒冷地に住む職員に支給(11月から3月まで) |
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支給内容 | ●旭川、帯広市・・10340から26380円
●札幌市、釧路市、・・8800から23360円 ●函館市、室蘭市・・8600から22540円 ●青森市、盛岡市、秋田市・・7360円から17800円 |
備考 | 支給については扶養家族がいる場合などで手当額が大きくなっている。 |
寒冷地手当については、寒冷地近い自治体などは支給額が低い傾向にあり、自治体によって額はまちまちになります。
管理職特別勤務手当
手当内容 | 管理職の職員が緊急の場合に、休日や平日の深夜(午前0時から午前5時)に勤務した場合に支給される。 |
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支給内容 | ●週休日・・・18000円から6000円
●平日深夜・・・6000円から3000円 |
備考 | 支給額については給料に基づく比率で計算される。 |
基本的に管理職は時間外がないと言われていますが、特別手当として手当が支給されることになっています。
管理職手当
手当内容 | 規定された管理職に対して毎月支給される。 |
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支給内容 | ●一種(本省課長)・・・130300円
●二種(本省室長)・・・94000円 ●三種(地方機関部長)・・・72700円 ●四種(管区機関 課長)・・・62300円 ●五種(地方出先機関 課長)・・46300円 |
備考 | 地方自治体もある程度この支給額を国に準じている。 |
時間外手当
手当内容 | 通常の勤務時間外での勤務 (残業時間での勤務) |
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支給内容 | ●通常・・・時間給*1.25
●休日などの勤務・・時間給*1.35 ●月60時間を超えた勤務・・時間給*1.5(深夜は1.75) |
備考 |
時間外については、月40時間を超えた場合は産業医の面談が必要になる場合があります。
退職手当
公務員の平成29年時点の退職金は勤務年数の違いで以下のようになっています。
出典:総務省「平成29年4月1日地方公務員給与実態調査結果」
勤務年数 | 一般行政職 |
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自主退職 | 299万円 |
11年から25年 | 1227万円 |
25年以上 | 2281万円 |
以上のように平成29年時点では2000万円強の金額をもらっていることになります。
地方公務員は平成25年から年金が350万円も減っている状況よ。詳しくは下記の記事を参考にしてみてね!
まとめ
以上公務員の主な手当についてご紹介してきました。
公務員は様々な手当があり、実際の給料表以上に手当ももらっている状況と言えます。
ですが、近年は住居手当や時間外手当などもどんどん厳しくなる状況で、公務員になる方、またなっている方はひと世代前の人たちと生涯年収は大きく変わる可能性があることは理解しておいたほうがいいでしょう。
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