公務員は90日を超えない範囲として病気休暇(私傷病休暇)が認められています。
90日間は給料やボーナスが満額支給される対象時期ですが、勤務をしない日である「土日祝日、通常勤務する以外の日」なども病気休暇の日数に含まれるという取り扱いとなっています。
これとは別に90日を超えると「休職」という制度となり、給料やボーナスの支給が制限されますが、この場合は病気休暇とは逆に「土日祝日」は除いた日が休職の日数としてカウントされるということになっています。
この記事では病気休暇で「1日」でカウントされる日数について解説をしていきます。
公務員の病気休暇の1日のカウントについて
公務員の病気休暇の取得日数のカウントは、以下の様に取り決めがあります。
少し難しい説明となっているので、要点だけをまとめて見ていきましょう。
1 病気休暇の期間計算に当たって「1日」となる日について
病気休暇の期間計算に当たっては暦日によることとし、「1日」となる日については、次のとおり取り扱うものとする。
(1) 1日に割り振られた勤務時間のすべてにわたって特定病気休暇を使用した日を「1日」とすること。
※ 1回の勤務に割り振られた勤務時間が2日にまたがる交替制等勤務職員が、特定病気休暇を使用してその勤務時間のすべてを勤務しないときは「2日」、どちらか1日のみを勤務しないときは「1日」として計算する。
(2) 1日の勤務に割り振られた勤務時間の一部を特定病気休暇により勤務しない場合も、暦日でみると特定病気休暇を使用した日であることから、時間及び分単位の特定病気休暇を使用した日も「1日」と計算すること。
(3) 特定病気休暇と特定病気休暇の間に挟まれている「週休日、休日、代休日その他の病気休暇の日以外の勤務しない日」も、負傷又は疾病により休まなければならない状態が継続していると考えられることから、原則として、特定病気休暇を使用した日とみなして、「1日」と計算すること。ー引用
出典:https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/15_kinmujikan/1512000_H23shokushoku402.html
以下に、より分かりやすく言い方で要点をまとめていきます。
時間及び分単位の取得でも病気休暇の1日としてカウントされる。
例えば、午前中は職場に出勤して勤務し、午後から病気休暇を取得したとしましょう。
その場合、一日のうち午前中は通常勤務、午後は療養し実質的に勤務していないという事になります。
ですが病気休暇の取得日数としてカウントするときは、その一日丸ごとが病気休暇を取得した1日としてカウントされます。
そのため職場に出勤して実際に勤務した時間が一部ある病気休暇の取得日と、自宅療養のみで実際に勤務した時間が一切ない病気休暇の取得日も、等しく一日としてカウントされるという事になります。
なぜこのような一見矛盾したカウント法を取るかというと、病気休暇という休暇は、自宅療養という休息をとる勤務と考えられているからです。
土日、祝日など通常勤務しない日も病気休暇では1日としてカウントされる。
この土日、祝日を含めた病気休暇のカウントは、特定の場合にのみ起こります。
その特定の場合とは病気休暇を週をまたいで取得した時です。
例えば、体調不良により木曜日から次の週の火曜日まで休んだとします。
この際勤務をしていない土日は、病気休暇の日数のカウントに含めないように思われがちですが、実は含めてカウントされます。
要するにこの場合、病気休暇は木~次週の火曜日までの計6日間として日数がカウントされるのです。
木・金・次週の月・火の4日間と土・日の2日間を合計した、計6日間として病気休暇の日数のカウントがされるのがポイントです。
休職中は逆に「土日祝」などの日数はカウントされない。
上記では病気休暇の日数には、土日・祝日を含めてカウントするという紹介をしました。
しかしそれは病気休暇の場合であって、休職の場合は異なります。
その事は以下の様に取り決めが記されています。
ただし、特定病気休暇と特定病気休暇に挟まれている期間であっても、休職(病気休職を除く。)、休業、派遣、産前休暇・産後休暇、介護休暇等(※)により勤務しない期間については、比較的長期間にわたっての利用が想定されている制度であって、その間、負傷又は疾病により休まなければならない状態が継続していると考えることは適当ではないこと等から、これらにより勤務しない場合の当該期間は、「療養期間」に該当しないものとして取り扱う。
また、この場合における「療養期間」は、当該勤務しない期間の初日の直前に使用した特定病気休暇の日で終了するものとするとともに、当該勤務しない期間の末日の翌日以後に使用した再度の特定病気休暇の日から改めて「療養期間」が開始されるものとする。ー引用
出典:https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/15_kinmujikan/1512000_H23shokushoku402.html
上記に示されている取り決めの要点は、休職中の休職日数には土日・祝日はカウントされないということです。
他にも、土日・祝日が日数としてカウントされない休業・休暇等には以下のようなものがあります。
育児休業
産前・産後休暇
介護休暇
派遣期間
在籍専従
休業(配偶者同行休業や自己啓発休業等)
これらの休業や休暇等の場合は、病気休暇とは異なった日数のカウントが行われるため、注意が必要です。
病気休暇を取得するときの診断書は3ヶ月が一つの目安
通常、病気休暇はうつ病等の精神疾患の場合は90日までの取得が可能で、この間は給与は満額支給されます。
ですが精神疾患の場合、90日以上の休みを取ることになると、病気休暇から休職という扱いに変わります。
そして休職の期間中は給与は満額支給ではなく、一年間は80%支給、その後は無給という給与支給の流れになります。
その事に加えて、一度休職してしまうと復職する際に、健康状態を確認する審議会等の許可が必要となり、制度的にも複雑な手順を踏んでいく事になります。
そのため、休職扱いとはならずに病気休暇の最大期間を取得できる90日という期間が病気休暇の目安として考えられています。
しかし健康状態によってはどうしても療養が90日以上必要なときもあると思います。
その際は病院の医師と相談し、自分の健康状態に沿った診断書を用意してもらいましょう。